コレクション: イームズ コレクションが新カラーパレットで登場
2025年9月、ヴィトラはアメリカのミッドセンチュリーを象徴するデザイナー、チャールズ&レイ・イームズのコレクションをアップデートしました。環境に配慮した素材や仕上げを取り入れながら、夫妻が育んできた色使いを受け継ぎ、ニュートラルさと彩りを兼ね備えた色彩から着想を得ています。イームズらしいデザインをさらに際立たせる、新しいカラーパレットの登場です。


ヴィトラは家具メーカーとして、環境負荷をできるだけ抑えた持続可能な素材開発に取り組んでいます。その一環として、木製のイームズ製品のコンセプトを見直し、ヨーロッパで製造する製品にはヨーロッパ産木材の使用率を高めました。新たにチェスナット(栗)やウォールナット(くるみ)を採用し、仕上げ方法もよりサステイナブルな手法へと刷新しています。
Eames House Bird

チャールズ&レイ・イームズは、旅で出会ったオブジェを自邸「イームズ ハウス」に飾り、まるでコラージュするかのように空間を彩っていました。中でも木製の鳥のオブジェは、夫妻にとって特に大切な存在でした。今回、この「イームズ ハウス バード」に、既存のブラックとウォールナットに加えて、明るい色合いのアッシュ材のモデルが登場。仕上げも見直され、ブラックは木の質感を生かす水性ラッカーに、アッシュはコットンホワイトのオイル仕上げに、ウォールナットは濃色のオイル仕上げになりました。さらに、ウォールナット材はアメリカ産からヨーロッパ産へと変更されています。
Eames House Whale

チャールズ&レイ・イームズは、自邸を、世界各地の民芸品、旅先で見つけた小さなオブジェで彩っていました。とりわけ大きな存在感を放っていたのは、全長2メートルを超える巨大な木製のクジラでした。誰の作品ともわからない北米の民芸品です。このクジラを全長70センチメートルに縮小した「イームズ ハウス ホエール」は、アッシュ材を用い、ひとつひとつ人の手によって丁寧に模様が描かれています。環境への配慮から、仕上げに使われる塗料を水性ラッカーに変更しました。
Eames Elephant

「イームズ エレファント プライウッド」の木材を見直し、ヨーロッパ産のウォールナットとチェスナット材を採用、環境に配慮した水性ラッカーを施しています。プラスチックの「イームズ エレファント」は、産業廃棄物による再生プラスチックに変更、カラーも更新しました。新たな「イームズ エレファント RE」は、ディープブラック、ホワイト、ペールローズに加えて、新たにエメラルド、スカイブルー、イームズレッドオレンジ、カナリアがラインナップされています。
Eames Plywood Mobile


1940 年代、イームズ夫妻の成形合板の実験過程で誕生したオブジェが、有機的なフォルムの「イームズ プライウッド モビール」です。レイ・イームズのアートワークを思い起こさせるモビールは、ロサンゼルスの夫婦のアパートにも吊るされていました。ヴィトラはイームズオフィスと協力し、「プライウッド モビール モデル C」を新たに発表。同時に、既存の「モデル A」をやや拡大し「モデル AL」として展開。新色のアイスグレーが加わります。

ヴィトラとイームズ
ヴィトラの創業者ウィリー・フェルバウムは、 1953年にニューヨークでイームズ製品と運命的な出会いを果たしました。1957年にヴィトラがヨーロッパにおけるイームズ製品のライセンス製造を開始した後、ヴィトラとイームズ夫妻、イームズオフィスは深い信頼で結ばれ、現在は、ヨーロッパと中東のイームズ製品の製造販売権をヴィトラが所有し、一部の家具とインテリアアクセサリーについては世界的な専売権を有しています。