コレクション: アレキサンダー・ジラード コレクション - 2021年春夏の新作発売
アレキサンダー・ジラードは、1920年代後半から1970年代後半にかけてアメリカで活躍した、ミッドセンチュリーモダンにおいて最も重要なデザイナーであり建築家です。チャールズ&レイ・イームズとジョージ・ネルソンに誘われ、1952年よりハーマン・ミラー社のテキスタイル部門のディレクターを務めた他、レストランや住宅、オフィス環境から航空会社のトータルデザインまで幅広く手掛けた多才な人物でした。
1993年、アレキサンダー・ジラードの没後、ジラードファミリーは、図面、プロトタイプ、サンプルを含む膨大なアーカイヴを「ヴィトラ デザイン ミュージアム」に寄贈しました。その後、ヴィトラは、ジラードファミリーとヴィトラデザインミュージアムとともアレキサンダー・ジラード作品の復刻に力を注いできました。
2021年春夏コレクションの新作
セラミック コンテナ
アレキサンダー・ジラードは、ミニマルでシンプルな古典的モダニズムに対して遊び心や楽しさを提案しました。2021年春夏コレクションで復刻を果たす「セラミック コンテナ」にも、彼の想いが表現されています。ひとつひとつ職人の手により色付けされるセラミックコンテナは、鍵やコイン、小さな雑貨を保管するなどさまざまな用途に使うことができ、さらに暮らしに小さな楽しさを添えてくれます。
セラミックコンテナのオリジナル版は、アレキサンダー・ジラード自ら旋盤を用いて木を削って作ったと言われています。ヴィトラは、現代の暮らしに合わせて素材にセラミックを選び、蓋つきの3つのデザインを復刻しました。
カラーは、それぞれアイスグレー、オーベルジュ(茄子色)、クリームの3色のバリエーションを揃えています。
2021年春夏コレクションの新作
ジラード バード
1940年代半ば、アレキサンダー・ジラードは、ガラスや発泡ゴム、段ボール、流木、合板や無垢材などさまざまな素材を用いた彫刻のシリーズの試作を残しています。2021年春夏コレクションの新作として復刻する「ジラード バード」のオリジナルである、林檎の木を手で削って作られた鳥の彫刻もこの中に含まれています。これら一連のシリーズは、アメリカの雑誌”Arts & Architecture”の1945年7月号に掲載されました。
ヴィトラデザインミュージアムのアーカイブとして保管されていたオリジナルの木製オブジェは、フランス産メープル材を素材として現代に蘇りました。抽象的でありながら鳥の特徴をユーモラスに表現した風貌で、脚または尻尾の平面で自立するタイプの、アレキサンダー・ジラードらしい自由な発想を促すオブジェです。
フォークアート蒐集と
世界中の民族と文化への讃歌
アレキサンダー・ジラードはメキシコ、インド、エジプト、日本および世界中の国々のフォークアートを10万点以上集める蒐集家でもありました。それらのフォークアートは、彼が企画する展覧会やインテリアデザインに使われ、さらにフォークアートの要素を自らのデザインにも取り入れていました。国や文化的背景も異なるオブジェやテイストを組み合わせ、色彩豊かでありながらラグジュアリーや豪華な装飾、政治的な主義や主張に寄ることのない彼の感性は、極めて現代的・未来的であったといえます。
ヴィトラのアレキサンダー・ジラードコレクションには、「ウッデンドール」や「メタル ウォール レリーフ」など暮らしに彩りをもたらす製品から「クラシック トレー」や「キーリング」など実用性を兼ね備えた製品まで幅広くラインナップし、現代の暮らしに紹介しています。
アレキサンダー・ジラードのデザインと活動は、人類すべての文化と創造性、表現の自由とその素晴らしさを謳っています。ジラードファミリーとともに復刻、製品化するヴィトラのアレキサンダー・ジラードコレクションは、時代を越えて、変わることのない本当に大切なものはなにかを私たちに問いかけます。